こちらは、「自然食に関する情報」だけでなく、「食に関するお役立ち情報」、「現在の食が抱える問題」等、食全般に関する情報を発信するコーナーです。こちらを通じて、当店の食・健康・環境に対する考え方や想いを、知っていただければと思います。



■お役立ち情報 その3:目次

 

・腸内フローラとは?
 

・腸の状態と健康との関係
 

・腸内フローラのバランスを整えるには? 
 

・冷えは万病のもと-体温と免疫力との関係-
 

・体を冷えから守り温めるには?


・家庭でできる自然療法「こんにゃく湿布」について 

・日本人の体質に合った健康的な食事とは? 

・疲れとビタミンB1 



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腸内フローラとは?(2018.12.27)


 

 「腸内フローラ」という言葉を最近何かと耳にするようになりました。

私たち一人ひとりの腸内には100種類以上の細菌が100兆個以上棲みついており、なかでも小腸終末部分の回腸から大腸にかけては、その多様な腸内細菌が種類ごとにまとまって、ビッシリ腸内の壁面に生息しています。その様子が、まるで様々な植物が種ごとに群生しているお花畑(英語でflora)のように見えることから、「腸内フローラ」(腸内細菌叢)と呼ばれています。
 

これらの細菌は、一つ一つはとても小さいのですが、私たちの健康を左右する大きな影響力を持っています。
 

 腸内フローラのバランスが悪いと、便秘や下痢だけでなく、肥満や生活習慣病・老化の促進・がんやアレルギー等様々な病気や不調を引き起こす要因となり得ます。
 

反対に、腸内フローラのバランスを整えきれいな腸内環境を維持すれば、病気にかかりにくく、心身ともに健康で長生きできる体作りに貢献してくれます。



 

腸の状態と健康との関係(2019.1.29)


 

 上の項で、腸内細菌は私たちの健康を左右する大きな影響力を持っているとお伝え致しました。
腸内には100種類以上の細菌が棲んでいると言われておりますが、人にどんな影響を与えているかで大きく3つに分けられます。
悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促したり、ヒトの体に有用な働きをする「善玉菌」、腸内を腐敗させたり有毒物質を作るなど体に悪影響を及ぼす「悪玉菌」、状況によって善玉菌に協力したり悪玉菌の味方をする「日和見(ひよりみ)菌」があり、日々勢力争いをしています。

 

 健康な人の腸内は、善玉菌が悪玉菌を抑える形で腸内フローラが一定のバランスで維持されています(正常細菌叢)。反対に、何らかの原因でこのバランスが崩れて悪玉菌が優勢になってしまうと、腸内の腐敗が進みアンモニア、フェノール、インドールなどの体にとって有害な物質が増えてしまいます。
増えた有害物質は腸管から吸収されると、肝臓、心臓、腎臓等の各臓器に負担を与え、様々な病気や不調を引き起こす要因となってしまうのです。

 
 腸の状態が良いと病気になりにくいのは、外敵から私たちの体を守るための免疫システムを司る免疫細胞の60〜80%が腸に集まっている為です。
その腸の状態を整えてくれるのが乳酸菌やビフィズス菌・フェカリス菌・酵母菌などの善玉菌です。善玉菌には様々な種類がありますが、がん細胞やウイルスを見つけ出して除去するNK細胞という免疫細胞を活性化する作用があったり、血圧の上昇を防ぎ、血糖値の上昇を緩やかにするなどの生活習慣病の予防や改善に効果を発揮したり、アレルギーの軽減にも働くことが分かっています。


 また、腸の状態は、体の健康だけでなく、心(精神)の健康にも影響を与えることが分かってきました。
脳と腸にはそれぞれ独立した神経系があって、お互いに密接に関わっています。いわゆる「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの多くは腸で作られており、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする作用があるのですが、生活習慣や食生活の乱れによってセロトニンの量が減ってしまうと蠕動運動が停滞して便秘の原因となってしまいます。
この状態が続いてしまうと腸でも脳でもセロトニンの分泌がさらに低下し、心と体の不調を招きやすくなってしまうのです。 



 

腸内フローラのバランスを整えるには?(2019.4.1)


 

 腸内フローラのバランスを整えるには、善玉菌を増やし、悪玉菌を増やさないことが大切です。3歳ごろの腸内フローラが最も理想的なバランスと言われていますが、基本的に年齢とともに善玉菌は減少し、悪玉菌が増える傾向があります。

悪玉菌を増やさないように注意する際、特に日本人は肉の摂り過ぎには注意が必要です。
 

 肉は高たんぱく食品で、摂り過ぎて小腸できちんと消化しきれずに大腸まで届いてしまうと腐敗して悪玉菌のえさとなるので、悪玉菌を増やし、腸のバランスを崩す大きな要因となり得ます。
穀物食が中心だった日本人は、欧米人よりも腸が長いので、悪玉菌のえさを排出するのに時間がかかり、その分悪玉菌が増えやすい腸内環境となってしまうのです。
年々増え続ける大腸がんと肉食には大きな関係があると言われています。肉を摂るときは、悪玉菌の排出を促す力がある食物繊維が豊富な野菜も積極的に摂るようにして下さい。


他にも暴飲暴食や極端なダイエットも、腸内フローラのバランスを崩します。特に近年流行している糖質制限ダイエットは、便の主な原料となる繊維質(食物繊維)が不足しがちで、悪玉菌のえさとなるたんぱく質や脂質は過剰摂取になりやすいので、腸内フローラのバランスを崩す元凶になります。
 

 また、風邪などで安易に抗生物質を使うことも問題です。抗生物質は細菌を殺す薬ですので、悪い菌だけでなく、善玉菌も減らしてしまいます。抗生物質が効かないカビやウイルスは生き残るので、腸内環境が悪化しやすい状態になってしまうのです。明らかに細菌感染が原因で起こる重篤な症状には、抗生物質を使う必要もありますが、服用せざるを得ない状況なのか医師とよく相談し、服用する際は同時に乳酸菌等の善玉菌を補充するなどのケアを心がけましょう。


 

善玉菌を増やすには 「1.善玉菌を摂取する」「2.善玉菌のえさを摂取する」方法があります。


1.善玉菌を摂取する簡単で手軽な方法は、発酵食品を積極的に摂ることです。
特に和食で用いられる、みそ・醤油・みりん・麹・酢・納豆・お漬物・甘酒等は、長年日本人が食べてきた発酵食品ですので、日本人の腸内環境との相性もとても良く、腸内フローラの改善にとても役立ちます
。ただし、これらの発酵食品を摂る上で大事なことは、昔ながらの製法できちんと発酵して作られた本物を使うことです。添加物を用いて簡易的に作られたものでは発酵食品としての効果が無いどころか、添加物の影響で腸内環境をかえって悪化させることも考えられます。


なお、腸内環境の改善と言えばヨーグルトを思い浮かべる方も多いと思いますが、日本人の多くが牛乳に含まれる乳糖をうまく分解できなかったり(乳糖不耐症)、ヨーグルト自体の発酵期間が短く添加物が使われているものがある、ヨーグルトに使われている菌が日本人の腸にあまりなじみがなく腸内でうまく働いてくれないなどの問題点がある為、よく食べてるのに実感が無いと感じられる方も多いようです。
そのような方はぜひ昔ながらの日本の発酵食品を摂取してみて下さい。



2.善玉菌のえさを摂取する方法は、食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂ることです。

善玉菌のえさとなる成分を含んだ食べ物を摂取することで、体内に元々棲んでいる善玉菌が増えてくれます。 食物繊維は、玄米や麦などの茶色い穀物や豆類・野菜・海藻・キノコ等に多く含まれています。
現代日本人は、食物繊維の摂取量が不足気味ですので、意識して摂るようにしましょう。オリゴ糖は、豆類、ゴボウ、アスパラガス、タマネギ、トウモロコシ、にんにく、バナナ、砂糖大根から作った甜菜糖などに多く含まれています。


特におススメの食材は麦とゴボウです。ゴボウは不溶性と水溶性の食物繊維とオリゴ糖も多く含んでいる大変優秀な食材です。麦は不溶性と水溶性の食物繊維のバランスが良く、ご飯に混ぜて食べることで血糖値の上昇や血圧・コレステロールを下げてくれる等、様々な生活習慣病の予防に期待できます。ぜひお試し下さい。


 

 


冷えは万病のもと-体温と免疫力との関係-2019.8.1)
 


昔から東洋医学では「冷えは万病のもと」と言われています。

 
冷たいものをたくさん飲んでお腹を下したことがある人は多いと思います。これは冷たいもので胃腸が冷えてしまうことでその働きが低下してしまうためです。ですが、冷えるのは胃腸だけではありません。

 

体内では肝臓や腎臓をはじめとした臓器が様々な代謝を行っているのですが、体温が低下するとその働きも低下してしまいます。さらに体を病気から守る免疫機能も、冷えによって低下します。免疫力は腸の活動と大きく関係があります。体温が1度下がると、免疫力は30%以上低下すると言われています。 
 

そのため冷えの状態が続くと体全体の機能が低下し、風邪をひきやすくなるのはもちろん、自律神経失調症、生理痛の悪化、頭痛、肩こり、肌のトラブル、イライラ、気分の落ち込みの他、生活習慣病やがんなどの重い病気にも繋がってしまうのです。


 人間の体温の正常範囲は36.5±1℃とされています。基本的に36度を常に下回る場合は、低体温症ですので特に気を付ける必要がありますが、平熱が36度以上でも個人差や男女差、体温計の性能等によっても体温は変わってしまうので、数値にあまりとらわれるよりも、同じ環境で他の方と比べて自分だけが寒いと感じるようなことが多いなら、体が冷えていると考えられます。


 

 体が冷える原因はいくつかありますが、大きな要因は体内で熱がうまく作れない場合と、作られた熱が全身に届かない場合です。

 体の中で主に熱を作り出しているのは筋肉です。筋肉質の人は少し動いただけでもたくさんの筋肉を動かすことになるので体温が上昇しやすいのですが、筋肉量が少ない人は同じように動いても、生み出せる熱が少ないので体温も上がりにくいのです。
 

男性より女性に冷えを感じる人の割合が多いのは、女性の方が基本的に筋肉量が少ないからです。運動をしないで食事制限だけを行うなどの間違ったダイエットを実践し続け、筋肉量をさらに減らしてしまうと慢性的な冷えに悩まされる可能性につながります。


 次に、作られた熱が全身に届かなくなる主な原因は、自律神経のバランスの乱れです。
自律神経のバランスが乱れると、血の流れが悪くなり、全身にうまく熱が送られなくなってしまいます。これはエアコンの効いた室内と暑い屋外を出入りして、血管が収縮したり拡張したりすることでも起こります。不安やストレスが原因となっていることもあります。

食べ過ぎや冷たい物の飲みすぎも冷えの要因です。食べ過ぎた場合は消化のために、冷たいものを飲みすぎた場合は胃腸が冷えることで、より多くの血液が胃腸に集まってしまい、熱産生量の多い筋肉やほかの器官への血液供給が減ってしまうからです。


特に、高脂質や塩分の多い食べ物・甘い物は、消化に時間がかかり胃腸に負担をかけ、体全体の冷えにもつながってしまいます。これらの食品はできるだけ食べ過ぎないことが、冷え対策のためだけでなく、健康維持のためにも大事と言えます。



 

体を冷えから守り温めるには?(2019.10.28)


 

体を冷えから守り温めるには、体の芯から温めることが大切です。
 

冷えた手足をいくら温めても、外気に触れればまたすぐに冷たくなってしまいます。体を芯から温めれば、内蔵の働きも良くなり免疫力も高まるので、健康維持にもつながります。


体を芯から温めるのに大事なのはやはり毎日の食事と飲み物です。冷たいものをできるだけ避けて、体温以上のものを摂れば冷えを防ぎ、体の内側から温めることができます。よく噛んで食べることも大事です。よく噛むことで消化が良くなり、胃腸の負荷も少なくなるので、血の流れも良くなり全身に熱が届きやすくなります。

 

 また、食材にも気をつける必要があります。 自然食には「食養生(食養)」と言って、食事で身体を健康にするという考え方があり、食べ物は、体を温める「陽性食品」と体を冷やす「陰性食品」とその中間である「中庸食品」に大別されます。
※「食養生(食養)」についての詳細はこちら
 

寒い時期に出回るゴボウ、大根、人参、かぼちゃ等の根菜類やネギ・ニラ・にんにく、梅干し、味噌・醤油等の熟成期間が長い発酵食品などは体を温める作用があります。※ただし発酵食品でも、酢は溶血性の作用があって体を冷やすので注意が必要です。


暑い時期に出回るキュウリ、トマト、ナス、レタス等やスイカ・パイナップルなどのカリウムが多く特に南国で育つ果物類、白砂糖、コーヒーや豆乳などには、体を冷やす作用があります。


夏に冷えを感じる人は、体を冷やす食材を食べ過ぎないことが大事です。
野菜を摂るのはもちろん健康にとって良いことですが、サラダやスムージーなどの冷えた野菜ばかりを摂っていると、胃が冷やされてしまうので、胃腸の働きも悪くなって体全体の冷えに繋がってしまいます。
具沢山のお味噌汁やにんじん・かぼちゃ等の根菜を使った温かいとろみのあるスープ等だと、胃に滞留する時間も長くなるので、体の中からじんわりと長く体を温めてくれるのでおススメです。


 

 体を温める代表的な食品として、「生姜」を思いつかれる方は多いかと思いますが、生姜は生で食べるとむしろ体を冷やしてしまうので注意が必要です。
生の生姜には「ジンゲロール」という成分が多く含まれており、強い殺菌作用や、血管を拡張し血行を良くして体の表面を一時的に温めてくれる効果があるので、風邪の引き始めや悪寒がする時などにはとても有効なのですが、解熱効果により体内の熱を取り除いて体の芯は冷やしてしまうため、冷え性対策には逆効果となってしまうのです。


 この生の生姜に含まれる「ジンゲロール」ですが、100℃以下で加熱したり乾燥させると「ショウガオール」という成分に変化します。ジンゲロールから変化したショウガオールには体幹部を中心に熱を作り出して体を芯から温める働きがあります。

ショウガオールは生姜が温まることによって、より成分が増えて体を温める効果も高くなるので、温かい飲み物や料理に加えて食べると、体をしっかり芯から温めてくれます。

なお、金時ショウガの乾燥粉末にはこのショウガオールが通常の生姜の約4倍ほど多く含まれているので、金時ショウガの乾燥粉末を色んな料理に加えて摂るのは冷え性対策に特におすすめです。


ただし、生姜は健康効果が高い食べ物ですが、その分、体への刺激も強く、過剰な摂取はかえって健康に害を与える可能性があるので食べ過ぎには要注意です。
生の生姜であれば1日510グラムが適量で、スライスなら6枚前後、すりおろしたものなら小さじ1杯程度が適量と言われています。それ以上の摂取は胃腸を荒らして胸焼けや腹痛・肌荒れを起こす原因にもなってしまいます。少量ずつ毎日摂ることが一番体にとって効果的です。


 

 食事以外で体を温める方法としては、やはり適度な運動が効果的です。15〜20分程度のウォーキングやストレッチなどは、血流を良くし、筋力もつくので冷え対策だけでなく健康増進にも役立ちます。他にも腹式呼吸は、血流を良くして冷えの解消にも役立ちます。


 血流が滞ると冷えにつながるので、体を締め付ける服は避けることをおススメします。質の高い睡眠も冷え対策に効果的です。足が冷えるからと言って靴下をはいて寝ると、靴下のゴムが足首を締め付けて血流が悪くなり、かえって足先を冷やしてしまう可能性があるため注意が必要です。

また、自然療法の「こんにゃく湿布」や「生姜湿布」もとてもおすすめな冷え対策となります。


 

 冷えは毎年のことだからと、その状態を「我慢する」「放っておく」のではなく、ちゃんと向き合って対処することが大切です。
冷えを放っておくと体の免疫力は下がり、体調は悪化する一方となってしまいます。上記の冷え対策を意識して実践することで、冷えは改善することができますし、体調が悪化するのを防ぐことにもつながります。冷えで悩んでいる方は、症状が重くならないうちに、ぜひ冷え対策を実践してみてください。





家庭でできる自然療法「こんにゃく湿布」について(2019.12.31) 




 前項の「体を冷えから守り温めるには?」にて、冷え対策に、自然療法の「こんにゃく湿布」や「生姜湿布」がおススメとお伝えいたしましたが、今回はご家庭で、特に手軽に実践できる「こんにゃく湿布」についてご説明致します。

 こんにゃく湿布とは、煮て温めたこんにゃくを使って肝臓や腎臓、丹田(おへその下付近)等を温める自然療法のお手当の一つで、手軽に実践できてすぐに効果を実感できる、自然療法の中でも特におススメのお手当です。
※自然療法について詳しくはこちらをご覧下さい。



 湯たんぽやカイロが体の表面だけを温めるのに対して、こんにゃく湿布はこんにゃくを茹でることで発生する湿性の熱が、体の内側まで温めてくれるので、冷えの改善につながり、体質改善の手助けとなるのです。

 

【実践方法】

1.こんにゃく2丁を10分程お湯で煮て、これをタオル2〜3枚に包みます。
 

2.仰向けに寝て、おへその下付近(丹田)と右わき腹(肝臓)の上において、30分程温めます。最初はかなり熱いのでタオルの枚数を増やして、自分が気持ちよいと感じるように調節していただいても大丈夫です。
 

3.30分程温めたら、温めた部位を冷たい水でしぼったタオルでふいて1分ほど冷やし、同時に脾臓(左脇腹の肘が当たる付近)を10分冷たいタオルで冷やします。脾臓はリンパ系の器官で、体を守る免疫と深い関係があり、いつも頑張っている器官ですので、こんにゃく湿布を行う時は冷やす必要があるからです。
 

4.今度はうつ伏せになって、同じこんにゃくをタオルの枚数を減らして腎臓付近(腰のくびれより3センチ程上の背骨の両脇2つ)において、また30分程温めます。
 

5.終わったら温めた部位を、冷たい水でしぼったタオルでふいて、こちらも1分ほど冷やして、静かに休ませます。
 

6.使用したこんにゃくは、よく水洗いした後、容器に入れてこんにゃくが浸るまで水につけて冷蔵庫に保存しておくことで、かたくなるまで繰り返し使うことが出来ます。浸したお水は2〜3日に一回変えていただければ大丈夫です。なお、湿布に用いたこんにゃくは食べないで下さい。
 

※子供は温める時間を半分以下にして下さい。乳幼児は、脾臓を冷やさなくて大丈夫です。
 

※自分が気持ちよいと感じる温度で行うことが大切です。 タオルの枚数や包み方はお好みで調節していただいて大丈夫です。
 

※大事な点として、ぜひ本物のこんにゃくを使って下さい。きちんとこんにゃく芋から作られた本物のこんにゃくは、温めるためにしっかり湯がいても型崩れしにくいので、繰り返し利用することが出来ますし、温かい状態も長く続くので、こんにゃく湿布の効果も長く続きます。 


 

当店では、こんにゃく湿布以外にも東城百合子先生の自然療法に関する情報提供やアドバイスを行っていますので、より詳しくお聞きしたい方は店頭にてお尋ね下さい。「家庭でできる自然療法」の本も販売しております。





日本人の体質に合った健康的な食事とは?(2020.1.6)


各メディアでは毎日のように様々な健康情報が取り上げられていますが、その食事や健康方法は本当に正しいと言えるのか疑問に思うような内容も多く見受けられます。また、研究が進むことでこれまで正しいとされてきた定説がくつがえされることもあります。


特にインターネット内では、両極端な意見がどちらも数多く存在しており、与えられた一つの情報「だけ」を信じて判断すると、かえって健康を損なう危険性もあると言えます。


 

当店では、そのような数多くの健康情報の中から何が正しいことかと判断するにあたって、先人が経験を基に築いてきた伝統的な食文化や習慣であるのか、日本人の体質にあったものかどうか、科学的根拠(エビデンス)に基づいて発信されている情報かどうかということを、大事にしています。


特に重要なのは、日本人と他の民族とでは、体質も食習慣も異なるという点です。 
欧米人にとっては良い食事であっても、日本人がその食べ物や食事方法をそのまま取り入れても効果があるとは限らないのです。同時に、科学的根拠(エビデンス)がしっかりとした食事方法であっても、体質によっては体に合わない場合もあるので、何でもやみくもに取り入れるのではなく、体や心の状態を確認して自分にあっているのか判断することが大事です。


 

そこで日本人の特徴や体質を踏まえ、無理なく実践できて、心身にプラスになると考えられる食事・食べ方を、『「日本人のための科学的に正しい食事術」西沢 邦浩著 三笠書房』よりご紹介させていただきます。
 

『日本人が特に意識すべきポイントは以下の3点です。この3点を実践するだけでも、健康を維持できる可能性は高くなると考えられます。


1.血糖値が急上昇しにくい食事
日本人は血糖値をコントロールしているインスリンの分泌量が、白人や黒人に比べて弱く、血糖値が上がりやすい食事を続けると、糖尿病にかかりやすくなります。糖尿病は腎症や認知症、がんなどのリスクを高くする、いわば万病の元なので、血糖値が上がりにくい食べ方をすることが、多くの病気を予防することにつながります。
 

2.腸に良い食事
また、腸内細菌の研究が進んで、腸内環境をよい状態に保つと免疫力が高まり、生活習慣病の発症リスクが抑えられ、心の状態を改善するといった報告もあります、腸の状態をよくする食事が、心と体を健康にしてくれるわけです。
 

3.空腹感を大切にする

さらに、空腹になると、ノーベル賞受賞で話題になった「オートファジー」(自食作用)や、老化や病気を防ぐ働きにスイッチが入ることが分かっています。


 

3つのポイントを全てクリアするのが大変と思われる方でも、最低限実践していただきたいのが、「食物繊維を多く含む食材を意識してとる」ということです。
 

 食物繊維には糖質の吸収を穏やかにして、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあります。つまり食物繊維を十分摂れば、それが血糖値を上げにくい食事になるというわけです。また、食物繊維には胃や小腸ではほとんど消化吸収されずに大腸に運ばれ、有用菌のえさになって腸内環境を良好にする働きもあります。
 

 「空腹」と食物繊維にも、実は密接な関係があります。食物繊維が多い食事をとると、血糖値がゆるやかに上がった後、ゆるやかに低下するので腹持ちがよくなります。結果的に心地よい空腹を感じつつ次の食事をとれるというわけです。
 

このように食物繊維を意識して多く摂取するだけでも「3つのポイント」をクリアしやすくなります。』


 

 ここで大事なのが摂取する食物繊維の種類です。食物繊維には、便のカサを増やしてスムーズな排便を促す「不溶性食物繊維」と、血糖値の上昇を抑え、腸内で有用菌のえさとなる「水溶性食物繊維」があり、血糖値や腸内環境等を改善するには水溶性食物繊維の摂取が欠かせません。
 

しかしながら、現在日本人が食事で摂取する食物繊維は、不溶性食物繊維が中心となっていることから、水溶性の食物繊維を多く含む食品を積極的に摂ることが効果的な食物繊維の摂り方であると言えます。


 

 なお、血糖値抑制やダイエット目的で、穀物や芋類・根菜類、果物などを一切口にしない極端な糖質制限をしている方もいらっしゃいますが、これらの食材は食物繊維の重要な供給源でもあります。極端な制限をすると有用菌のえさが減り、腸内環境の悪化を招く危険性が非常に高くなるので、注意が必要です。

 

 毎日の食事は健康に直結しています。食物繊維を意識的に摂ることは、手軽にできる健康的な食事といえますので、ぜひ実践してみてください。




疲れとビタミンB1(2021.5.10) 


 

 私たちがエネルギーの源として最も多く摂取するのは糖質ですが、ビタミンB1はこの糖質をエネルギーに変える働きと深く関わっています。
また、体内でアルコール分解が行われ、エネルギーに変えられるときにもビタミンB1は消費されます。
ビタミンB1が不足すると脚気などの神経障害や、疲れ・だるさといった症状を感じやすくなるため、体を元気に保つために積極的にとりたい栄養素の一つと言えます。

ビタミンB1を多く含む食材としては、豚肉、うなぎ、玄米・そば・パスタ、そら豆、さつまいも、豆腐などがあります。特に穀物の胚芽に多く含まれているので、主食となる玄米やそばでの摂取がおすすめです。
また、ビタミンB1は水に溶けやすい水溶性のビタミンなので、煮込み料理などでスープごと食べれば、効率よくビタミンB1を摂ることができます。
にんにく等に含まれるアリシンは、ビタミンB1と結合して吸収を高めてくれるので、一緒に摂るのがおススメです。

ビタミンB1に限らず、食品に含まれる様々な栄養素は、相互に作用することでより効果を発揮するので、偏った食事にならないようバランス良く食べることが大事です。
また、食は人生を彩るものでもありますので、食の楽しみを失わないためにも、健康の維持増進を心がけることはとても大切な事だと思います。
そのためには、日頃から食べ過ぎず、欧米型の食事に偏り過ぎることがないようにし、適度な運動を取り入れ、休養や睡眠をしっかりとることが大切です。
全ての実践は難しくても、出来ることから積み重ねていくと効果的です。



 


 

参考・引用文献資料(書名、著者名もしくは編者名、出版社、発行年、総ページ数)※順不同

「家庭でできる自然療法」東城百合子著 あなたと健康社 1978年 430P

「薬草の自然療法」東城百合子著 池田書店 2011年 254P

「家庭の味 手作り食品」東城百合子著 あなたと健康社 2008年 190P

「食品の裏側」安倍司著 東洋経済新報社 2005年 244P

「なにを食べたらいいの?」安倍司著 新潮社 2009年 223P

「食品業界は今日も、やりたい放題」小薮浩二郎著 三五館 2012年 222P

「給食で死ぬ!!」大塚貢・西村修・鈴木昭平(共著) コスモ21 2012年 205P

「野菜の裏側」河名秀朗著 東洋経済新報社 2010年 235P

「有機・無農薬の家庭菜園誌 野菜だより 2014年 1月号」 学研パブリッシング発行 2014年 130P

「ほんとの野菜は緑が薄い」河名秀朗著 日本経済新聞出版社 2010年 191P

「食事でかかる新型栄養失調」小若順一・国光美佳(食品と暮らしの安全基金) 三五館 2010年 205P

「新食べるな危険!」小若純一(食品と暮らしの安全基金) 講談社 2005年 261P

「どこでもできる給食で食育ヒント集」発行者 坂本尚 農山漁村文化協会 2006年4月増刊号 168P

「アレルギーの9割は腸で治る!」藤田紘一郎著 だいわ文庫 2011年 197P

「子どもをアレルギーから守る本」藤田紘一郎著 だいわ文庫 2012年 216P

「医者に殺されない47の心得」近藤誠著 アスコム 2012年 227P

「腸ベストセラー本」健康ジャーナル社編著 健康ジャーナル社 2013年 63P

「元気になる『油』、病気になる『油』。」健康ジャーナル社編著 健康ジャーナル社 2014年 64P

「日本人には塩が足りない」村上譲顕著 東洋経済新報社 2009年 206P

「粗食のすすめ」幕内秀夫著 東洋経済新報社 1995年 246P

「なぜ『粗食』が体にいいのか」 帯津 良一著 幕内 秀夫著 三笠書房 2004年 221P

「沈黙の春」レイチェル・カーソン著青樹簗一役 新潮文庫 1974年 394P

「東洋医学の哲学」桜沢如一著 日本CI協会 2001年 253P

「久司道夫のマクロビオティック 入門編」久司道夫著 東洋経済新報社 2004年 172P

「タネが危ない」野口 勲著 日本経済新聞出版社 2011年 203P

「いのちの種を未来に」野口 勲著 創森社 2008年 188P

「ちょっと高くても、コッチ!」小藪浩二郎著 三五館 2015年 189P

「骨博士が教える『老いない体』のつくり方」 鄭 雄一著 WAC BUNKO 2010年 184P

「新・食物養生法―食医学と薬効食品」 鶴見 隆史著 第三書館 1999年 413P

「家族みんなが病気にならない食べ方事典」山田豊文著 現代書林 2013年 320P

「日本人の体質に合った本当に老けない食事術」寺尾 啓二著 宝島社 2018年 223P

「日本人のための科学的に正しい食事術」西沢 邦浩著 三笠書房 2018年 256P

「食物繊維の底力」健康ジャーナル社編著 健康ジャーナル社 2016年 48P

「うみのせい」海の精クラブ編集 海の精発行 各号内より適宜

「けんこう各号」全日本健康自然食品協会コミュニケーション紙各号内より適宜

「食と健康通信」一般財団法人食と健康財団発行健康情報誌より適宜
 

【文責】:たまな自然食品店 代表 荒木英智

熊本県玉名市山田2199-1 TEL:0968-73-8965